ベトナム人の技能向上を目指し
内装仕上げ研修コースを開催
日装連(日本室内装飾事業協同組合連合会)は、JAC(一般社団法人建設技能人材機構)の支援を受け、ベトナムにて特定技能外国人を育成する「内装仕上げ研修コース」を展開しています。この研修では、日本で即戦力となる人材を育成するため、現地での技能と日本語の教育に力を入れています。今回は、研修の立ち上げに関わり、現在も運営を担っているベトナム人のヒエップさんに、研修の内容やその目的について詳しく伺いました。
担当者:JAC事業部 ヒエップ
日装連とJACが協力し育成プロジェクトを始動
研修の内容について教えてください
本事業は2023年3月からスタートした、日装連とJACが協力して展開するプロジェクトです。建設業全体にいえることですが、技能実習生は日本に来てゼロから技術技能を学び、現場で活躍できるまでに1年以上かかることが課題であり、内装仕上げ業界でも同じです。それを改善するために、事前に現地で日本語と技能を身に付けてもらい、企業にとっても技能実習生にとっても負担を減らすことが狙いとなります。
研修コースの内容は、二つの大きな柱で成り立っています。一つ目は日本語教育です。ゼロからN4レベルまで日本語を教え、日常会話だけでなく、内装仕上げに必要な専門用語も学んでもらいます。これは、後々日本に行った時にも、現場でスムーズにコミュニケーションが取れるようにするためです。二つ目は、内装仕上げの技能訓練です。クロス貼りやフィルム貼り、タイル貼りなど、日本の現場で求められる技能を教えています。受入企業のニーズに応じて、カーペット貼りやカーテンの取り付けといった実際の業務に対応した技能も習得してもらいます。
研修内容の大きな特徴は?
何といっても実践的な指導方法にあります。講師は日本での内装仕上げの経験が豊富なベトナム人で、現場での動作や技能を丁寧に教えています。加えて、日本の内装仕上げ技能をそのまま教えるだけではなく、受講者が理解しやすいように細かい動作や手順をわかりやすく指導しているのも特徴のひとつです。指導中に実際の動作を何度も見せ、受講者がそれを真似して体に覚え込ませて身につけるスタイルです。
また、日本語教育も強化しています。以前は、受講者には社会人向けの日本語学校と提携しそこに通ってもらっていたのですが、現在では専属の日本語講師が私たちの教室に来て、しっかりと指導しています。講師は日本での生活経験も豊富で、実際に日本で直面するであろう状況に基づいた教え方をしてくれています。受講生にとっても、自分が日本に行った際のイメージがしやすく、学びが深まっていると感じています。
技能訓練では“日本式”の作業方法を教えている
どんな方が参加していますか?
研修は、ベトナム国内の短期大学生が中心に参加しています。友人、知人から研修を紹介されて参加した人や、ホームページで募集を見て応募した人もいました。年齢層も幅広く、18歳の若い受講者もいれば社会人もいます。どの方も日本行きを熱望しているので、やる気に満ちているのが印象的です。
研修ではその成果を確認するため、中間と最終の効果測定テストを行います。このテストでは、実技と日本語の模擬テストを行い、受講生の進捗を確認します。中間で特に優秀な成績を収めた受講生は、最終テストが免除されることもあります。例えば、2023年度に開催された第3回目の研修では、12名中11名が5段階中Bランク以上の成績を獲得し、その多くが日本の現場で即戦力として働ける見込みです。また、初めて参加した研修生のなかにも、特に優秀な方が中間テストでBランクを取り、最終テストを免除されるケースも出てきています。
集中力を維持するため、日本語の授業と実技講習を午前と午後に分けて行う