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VOICE / JAC活動レポート

HELPFUL / お役立ち 2024.12.13
VOICE JAC活動レポート

ベトナム人の技能向上を目指し
内装仕上げ研修コースを開催

 日装連(日本室内装飾事業協同組合連合会)は、JAC(一般社団法人建設技能人材機構)の支援を受け、ベトナムにて特定技能外国人を育成する「内装仕上げ研修コース」を展開しています。この研修では、日本で即戦力となる人材を育成するため、現地での技能と日本語の教育に力を入れています。今回は、研修の立ち上げに関わり、現在も運営を担っているベトナム人のヒエップさんに、研修の内容やその目的について詳しく伺いました。

担当者:JAC事業部 ヒエップ

担当者:JAC事業部 ヒエップ
日装連とJACが協力し育成プロジェクトを始動
研修の内容について教えてください

 本事業は2023年3月からスタートした、日装連とJACが協力して展開するプロジェクトです。建設業全体にいえることですが、技能実習生は日本に来てゼロから技術技能を学び、現場で活躍できるまでに1年以上かかることが課題であり、内装仕上げ業界でも同じです。それを改善するために、事前に現地で日本語と技能を身に付けてもらい、企業にとっても技能実習生にとっても負担を減らすことが狙いとなります。
 研修コースの内容は、二つの大きな柱で成り立っています。一つ目は日本語教育です。ゼロからN4レベルまで日本語を教え、日常会話だけでなく、内装仕上げに必要な専門用語も学んでもらいます。これは、後々日本に行った時にも、現場でスムーズにコミュニケーションが取れるようにするためです。二つ目は、内装仕上げの技能訓練です。クロス貼りやフィルム貼り、タイル貼りなど、日本の現場で求められる技能を教えています。受入企業のニーズに応じて、カーペット貼りやカーテンの取り付けといった実際の業務に対応した技能も習得してもらいます。

研修内容の大きな特徴は?

 何といっても実践的な指導方法にあります。講師は日本での内装仕上げの経験が豊富なベトナム人で、現場での動作や技能を丁寧に教えています。加えて、日本の内装仕上げ技能をそのまま教えるだけではなく、受講者が理解しやすいように細かい動作や手順をわかりやすく指導しているのも特徴のひとつです。指導中に実際の動作を何度も見せ、受講者がそれを真似して体に覚え込ませて身につけるスタイルです。
 また、日本語教育も強化しています。以前は、受講者には社会人向けの日本語学校と提携しそこに通ってもらっていたのですが、現在では専属の日本語講師が私たちの教室に来て、しっかりと指導しています。講師は日本での生活経験も豊富で、実際に日本で直面するであろう状況に基づいた教え方をしてくれています。受講生にとっても、自分が日本に行った際のイメージがしやすく、学びが深まっていると感じています。

技能訓練では“日本式”の作業方法を教えている

技能訓練では“日本式”の作業方法を教えている

どんな方が参加していますか?

 研修は、ベトナム国内の短期大学生が中心に参加しています。友人、知人から研修を紹介されて参加した人や、ホームページで募集を見て応募した人もいました。年齢層も幅広く、18歳の若い受講者もいれば社会人もいます。どの方も日本行きを熱望しているので、やる気に満ちているのが印象的です。
 研修ではその成果を確認するため、中間と最終の効果測定テストを行います。このテストでは、実技と日本語の模擬テストを行い、受講生の進捗を確認します。中間で特に優秀な成績を収めた受講生は、最終テストが免除されることもあります。例えば、2023年度に開催された第3回目の研修では、12名中11名が5段階中Bランク以上の成績を獲得し、その多くが日本の現場で即戦力として働ける見込みです。また、初めて参加した研修生のなかにも、特に優秀な方が中間テストでBランクを取り、最終テストを免除されるケースも出てきています。

集中力を維持するため、日本語の授業と実技講習を午前と午後に分けて行う

集中力を維持するため、日本語の授業と実技講習を午前と午後に分けて行う

内装はベトナム人が特性を活かせる職種
担当者としての思いを聞かせてください

 私自身も長い間日本で働いてきましたが、ベトナム人が日本でしっかりと活躍できるよう支援したいという強い思いがあります。ベトナム人は勤勉で手先が器用なことが特徴です。内装仕上げの仕事は、その特性を最大限に活かすことができる職種だと思っています。
 また、日本に渡る前にしっかりと教育を受けることで、日本での生活や仕事がスムーズに進むようにしたいという思いもあります。過去には、日本に来たものの、十分な教育がないために苦労した方も多くいました。私は、そのような状況を改善したいと思い、この研修を通じてより多くのベトナム人が成功するための基盤を築きたいと考えています。

今後の展開について教えてください

 今後、ベトナムでの「内装仕上げ研修コース」はさらに拡大していく予定です。現在はハノイを中心に展開していますが、その他の地域でも開催を計画中です。受講生が日本で働くために必要な試験や手続きのサポートも充実させ、日本の企業とのマッチングも強化し、より多くのベトナム人が日本で安定した職を得られるよう、支援を続けていきます。

天井貼りなど難易度が高い作業も行う

天井貼りなど難易度が高い作業も行う

講師や受講者の声
実技講師
マイン さん

 日本で技能実習生として4年間、クロス貼りの仕事をしていました。その時、腕の立つ職人に教えてもらえたおかげで、現在もハノイで引き続き内装業をしています。講師としてのやりがいは、私が日本で学んだ技能を次世代に伝えられることです。生徒たちの吸収の速さや、丁寧な作業をする姿勢には驚かされ、彼らの成長を感じるたびに非常にうれしく思います。

日本語講師
フオン さん

 2010年頃に名古屋で技能実習生として仕事をしていましたが、当時は特定技能制度がなく、帰国するしかありませんでした。今は、自分が実現できなかった「日本で働く夢」を、生徒たちがかなえてくれることが最大の喜びです。授業ではわかりやすくイラストやスライドを使って単語や文法を説明しています。一人ひとりの吸収力に合わせて教えるのは大変ですが、大きなやりがいがあります。

受講生
イエン さん

 クロスを貼って仕上がった後のきれいな空間を見るのが好きで、それが内装仕上げの一番の魅力です。最初は天井貼りがとても難しかったですが、練習を重ねて今はできるようになりました。研修では友達と一緒に受講していて、励まし合っているので、不安は少ないです。日本に行くのが夢で、できれば長く働きたい。親を日本へ旅行に連れて行ってあげたいとも思っています。

受講生
トン さん

 経済発展している日本で活躍したいという思いから応募しました。日本で働くことができたら、自分の能力も伸ばすことができるのも楽しみです。日本語の勉強が好きで、リスニングを強化するために散歩中にも日本語の音声を聴いています。将来の夢は、日本で働いて技術技能を学び、その後ベトナムで独立し、日本の内装材を普及させる会社を立ち上げることです。