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SYMBOL / 友好のシンボル

TAKE FIVE / 箸休め 2025.11.28
SYMBOL 友好のシンボル

世界には日本が技術提供をして建造した施設や公共物がたくさん存在します。それは、我が国と現地をつなぐ大切な交流の証。そんな海外の事例を紹介していきます。

国内初の地下鉄、20年越しに開業

人も技術も、日本からベトナムへ

国内初の地下鉄、20年越しに開業
ベトナム Hồ Chí Minh 地図

ホーチミン市都市鉄道1号線
|ベトナム

ベトナム国旗
ホーチミン市都市鉄道1号線|ベトナム Photo

 2024年12月、ホーチミン市にベトナム初の地下鉄が開業しました。都市鉄道1号線の構想は、2000年代初頭からのJICAの技術協力と日本企業の粘り強い取組みによって、足かけ20年以上の歳月をかけて実現したものです。1号線は、市中心部のベンタイン駅から郊外のスオイティエンターミナル駅までを結ぶ全長約19.7kmの路線で、地下区間を含む14駅が整備されました。ホーチミン市内は川が多く、移動はこれまで車やバイク頼み。通勤・通学にも時間がかかっていましたが、鉄道の開業により移動は一気に快適に。線路のルートは人の流れを見越して計画されており、都市の構造を大きく変える一歩となりました。
 各駅にはホームドアや点字ブロック、車椅子スペースなどが備えられ、安全性とバリアフリーへの配慮も徹底。運営会社の立上げにも日本の鉄道管理ノウハウが活かされ、安全訓練やシステム構築など、運行面での支援も行われました。また、活躍したのが、日本での就労経験をもつベトナム人でした。現場で日本人技術者と現地作業員の橋渡し役を行い、特定技能や技能実習などを通じて日本で学んだ人材が、今度は母国のプロジェクトを支える立場に。日本式の安全意識や働き方が現場に伝わっていく、その“循環”こそが、この事業のもう一つの成果です。

記事監修・写真提供:独立行政法人 国際協力機構(JICA)

ホーチミン市都市鉄道1号線|ベトナム Photo