世界には日本が技術提供をして建造した施設や公共物がたくさん存在します。それは、我が国と現地をつなぐ大切な交流の証。そんな海外の事例を紹介していきます。
インドネシア初の地下鉄
安全運行を支える“日本式”防災訓練
MRT南北線|インドネシア
2019年3月、インドネシアのジャカルタでMRT南北線が開通し、同国初の地下鉄として大きな注目を集めました。当時、開通に先立ち、実施されたのが防災訓練で、日本の鉄道コンサルタントの指導のもと、現地のMRTジャカルタ社のスタッフが中心となり行われました。ホームでの火災発生を想定し、初期消火から乗客の避難誘導、警察・消防との連携までをシミュレーションして実施。当日、立ち会っていたJICA担当者によると、MRTジャカルタ社のスタッフや駅長は緊張感のなか、避難誘導の手順を忠実に実行していたとか。「日本の鉄道コンサルタントは、安全意識を高めるため、非常停止の判断を躊躇しないよう現地スタッフに繰り返し指導を行っていました」(JICA担当者)。開業から5カ月後、早速成果が表れます。ジャワ島西部で発生した大停電では、電車がストップする事態が発生しましたが、訓練の経験が活かされ、乗客の避難が迅速に行われたそうです。開業後も日本の支援は続き、鉄道インフラの拡大が進行中です。東西線の建設も進められており、日本とインドネシアの協力によって、今後さらに安全で効率的な交通網の発展が期待されています。
記事監修・写真提供:独立行政法人 国際協力機構(JICA)