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REGION / 共に生きるための取組み

CASE / 事例 2024.05.30
VOICE JAC活動レポート

目指すは「外国人県民」
が住みやすいまちづくり

 JACでは全国各地の自治体で行われている建設分野における特定技能人材増加に向けた方策についての調査を行っています。今回、訪れたのは人口に占める外国人住民の割合が東京都、愛知県に次いで全国3位の群馬県です。県が行う独自の取組みについて県庁職員に詳しく伺いました。

聞き手:JAC調査研究部 2023年12月18日取材

建設業外国人材受入れセミナー
県土整備部 建設企画課 建設業対策室 室長 荻野 邦夫 さん

県土整備部 建設企画課
建設業対策室 室長
荻野 邦夫 さん

県土整備部 建設企画課 建設業対策室 建設業係 主事 武井 智紀 さん

県土整備部 建設企画課
建設業対策室 建設業係 主事
武井 智紀 さん

JAC
群馬県内の建設業には、どちらの外国籍の方が多いのでしょうか?
荻野
一番多いのはベトナムで、続いてインドネシア、フィリピンの順になります。中国系の人も多くて、そのほかミャンマーなど東南アジアからの人材が増えつつあります。
JAC
群馬県が行っている建設業外国人材受入れセミナーは、そうした県内の外国人と企業をつなぐためのものですね。
荻野
そのとおりです。外国人材の受入れを検討している建設業者向けに、外国人材の活用事例や受入れに関する制度・手続きを紹介するセミナー動画を配信しています。
JAC
建設分野でのセミナーを始めたきっかけはなんですか?
荻野
建設業は働き手の高齢化が進み、若手の入職も少ない中で、外国人を受け入れようと考えている企業は少なくありません。しかし、実際に受け入れようとしても、どのような制度があり、どんな手続きをすればよいかわからないという声もあったので、受入れへの理解を促す目的で動画を配信しました。
武井
初めて動画を配信したのが令和2年度です。その後、視聴した方々から「もっと詳しい情報が知りたい」というご意見をいただき、令和3年度にブラッシュアップしたものが、今YouTubeにアップされている動画になります。
JAC
外国人を受け入れたいという要望は増えていますか?
荻野
受け入れたい気持ちはあるものの、受入れ体制をどのように整えればよいか、まだまだ不安が残るようで、積極的な企業は少ないのが実情です。そうした企業にこそ、セミナー動画を観ていただき、検討材料にしていただきたいです。
武井
動画以外にも、建設業向けに経営アドバイザーの派遣を行っています。人材不足や経営課題について中小企業診断士に相談できるサービスで、外国人を受け入れることについて不安なことや疑問に思うことがあれば、ご相談いただければと思います。
JAC
実際に受入れについての相談はありましたか?
武井
令和4年度は経営アドバイザーの派遣が18回あったのですが、その中で外国人材活用について知りたいという相談もありました。今後、受入れのニーズはより増えていくと予測しています。
建設業外国人材受入れセミナー
地域創生部 ぐんま暮らし・外国人活躍推進課 外国人活躍推進係 係長 東野 真士 さん

地域創生部 ぐんま暮らし・外国人活躍推進課
外国人活躍推進係 係長
東野 真士 さん

JAC
多文化共創カンパニー認証制度について教えてください。
東野
外国人材を仲間として受け入れている事業者を、以下の観点から評価し、認証しています。
  • 外国人材が企業の新たな価値創造に貢献できる業務を担っている
  • 外国人材の能力開発の機会を積極的に設けている
  • 外国人材が日本人に混じり、企業の役職等について活躍している
  • その他、外国人材の活躍につながる支援を行っている
現在、認証されているのは県内11事業者になります。
JAC
認証されるとどんなメリットがあるのでしょうか?
東野
外国人にとって働きやすさの指標となるので、海外から人材を受け入れやすくなるというメリットがあります。認証カンパニーだけが使用できるロゴがあるので、これを活用して外国人へアピールすることも可能です。また、認証されると県が主体となって事業者の優れた取組みを動画にして、国内外に発信することもしています。
JAC
認証カンパニーに建設業者もいますか?
東野
現在は1社が認証カンパニーに選出されています。私は建設分野として外国人の受入れにとても有利な制度だと思っていて、認証カンパニーに選ばれると海外からの注目度が格段に高まります。2023年12月にベトナムの首相が来日し、県庁を訪問したのですが、その際ベトナム人が活躍している認証カンパニーを視察するということがありました。制度が海外にも知られていることがよくわかる事例で、外国政府から見ても認証は魅力のひとつになっているのではないでしょうか。
JAC
優秀な人材の獲得にもつながりそうですね。
東野
そうですね。企業が外国人材を「仲間」として迎え入れる風土を今以上に醸成していくには、こうした施策が大きな意味をもつはずです。それがまた群馬県の魅力になることを願っています。
多文化共創カンパニー認証ロゴ

▲多文化共創カンパニー認証ロゴ

ぐんま外国人総合相談ワンストップセンター
外国人県民が日本語を学べる環境づくり
地域創生部 ぐんま暮らし・外国人活躍推進課 多文化共生係 係長 阿久津 智子 さん

地域創生部 ぐんま暮らし・外国人活躍推進課
多文化共生係 係長
阿久津 智子 さん

JAC
ぐんま外国人総合相談ワンストップセンターではどのような取組みをしているのでしょうか?
阿久津
その名のとおり、ワンストップで生活全般の困り事の相談を受け付けています。在留資格や仕事、病気やけが、子育て、福祉関係など幅広く対応していて、必要に応じて弁護士や東京出入国在留管理局など関係機関へおつなぎしています。
JAC
弁護士や行政書士会と連携した相談会も開催していますね。
阿久津
はい、予約制で行っています。また、県内の市町村に出向いて相談会を開催しています。
JAC
これまでどんな相談がありましたか?
阿久津
入管の手続きや労働に関することが多いと思います。あとは医療に関する相談も多くて、診療科についての相談や、コロナ禍においてはPCR検査やワクチン接種についての問合せ、感染後の療養生活などについての相談が寄せられました。
JAC
日本語を学べる環境づくりも行なっていますね。
阿久津
市町村や国際交流協会、NPOが中心となって日本語教室を開設し、学習支援しています。県としては日本語教室に携わるボランティアを養成し、教室運営を支援しています。
JAC
どのような人が参加しているのでしょうか?
阿久津
学びに来ている外国人の目的はさまざまで、生活するうえで必要な日本語を身につけたい、日本語能力検定にチャレンジしたいなど、人それぞれです。日本語教室は少人数制で開催していることが多いので、より個々のニーズに合わせて寄り添えるのも良いところです。ぜひ活用してほしいと思います。
ぐんま外国人総合相談ワンストップセンター 外国人県民が日本語を学べる環境づくり