2025年3月14日に発表された在留外国人数は、2024年末時点で約376.9万人と過去最多となりました。日本で暮らす外国人の現状や雇用の実態に加え、建設業における外国人雇用の状況についても詳しく見ていきます。
弁護士法人 Global HR Strategy
代表社員弁護士
Shohei Sugita
杉田 昌平 さん
弁護士(東京弁護士会)、入管届出済弁護士、社会保険労務士。慶應義塾大学大学院法務研究科特任講師、名古屋大学大学院法学研究科日本法研究教育センター(ベトナム)特任講師、ハノイ法科大学客員研究員、法律事務所勤務等を経て、現在、弁護士法人 Global HR Strategy 代表社員弁護士、独立行政法人国際協力機構国際協力専門員(外国人雇用/労働関係法令及び出入国管理関係法令)、慶應義塾大学大学院法務研究科・グローバル法研究所研究員。
『令和6年末現在における在留外国人数について』によると、日本に住んでいる外国人は2024年12月末に376万8,977人になります。また、2025年1月31日に公表された『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)』によれば、日本で働いている外国人は230万2,587人で、こちらも過去最高となっています。
日本に住んでいる外国人と日本で働いている外国人の推移をまとめると図1のとおりです。
図1 在留外国人数・雇用状況の届出数(筆者作成)
図2 在留外国人数・雇用状況届出数と地方自治体の規模の比較(e-Statより)
では、建設分野ではどの程度の外国人が働いているのでしょうか。手がかりは、技能実習・特定技能の在留者数と雇用状況の届出の産業分野の内訳にあります。
(1)技能実習・特定技能の在留者数
建設業において建設業務に従事することができる主な在留資格としては、技能実習および特定技能になります。ですので、この2つの在留資格を見てみると、建設分野で技能者として働いている人数を把握することができます。
①技能実習の職種作業別の人数
技能実習制度における職種・作業別の人数は、令和5(2023)年12月末時点の数字が最新の数字となります。
建設関係については22職種33作業あわせて9万2,015人となっていて、詳細な内訳は図3のとおりです。
図3 職種・作業別人数(出典:入管庁ウェブサイトより)
②特定技能の建設業の人数
『特定技能制度運用状況(令和6年12月末)』によれば、2024年12月末時点における特定技能制度での在留者数は28万4,466人となっています。そのうち、建設業分野3万8,578人であり、特定技能1号の在留資格で在留する方が3万8,365人、特定技能2号の在留資格で在留する方が213人となっています。
技能実習制度の在留者の統計時点が異なるため、単純な合算をしにくいところですが、両者をあわせると、おおむね13万人の外国人技能労働者が日本で働いてくれていることになります。
(2)雇用状況の届出の産業分野の内訳
もう一つ別の観点から建設分野で働いている外国人の分析をしてみたいと思います。雇用状況の届出については雇用状況の届出の対象となっている外国人230万2,587人について、産業別の数と割合が公表されています(図4)。
図4 産業別外国人労働者の割合(出典:厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和6年10月末時点)』)
独立行政法人国際協力機構(JICA)が行った『2030/40年の外国人との共生社会の実現に向けた取り組み調査・研究報告書』によれば、2040年には建設業全体の外国人労働者数の需要は49万8,000人になるとされています。現時点からすると、約2.8倍になる規模です。ですが、3年で100万人の外国人が新しく日本に住むことを選択している現状では、あり得ない数字ではありません。建設分野では、「外国人材とつくる建設未来賞(国土交通大臣表彰)」を設け、他分野に先行して職場における共生の在り方を考えています。
さまざまな国から来てくれている外国人と日本人とがともに建設業を発展させていく、その一歩一歩が積み重なっている最中であるといえます。